第2回テクニカルディレクションアワードOLM Smoother v2 が R&D/プロトタイプ部門 GOLD 受賞!
- 達夫 四倉
- 8月6日
- 読了時間: 2分

第2回テクニカルディレクションアワードにて、「OLM Smoother v2」がR&D/プロトタイプ部門部門でGOLDを受賞しました!
以下審査員講評となります。公式サイトより引用:
審査員コメント
まず、Resultが素晴らしいです。特に、ガンマ補正によるリニアカラースペースでの処理は、色漏れ対策とともに、クオリティに大きな貢献をしていると感じました。動作速度もCPU実装で10~15msという高速性を実現しており、現場での実用を念頭に置いた研究開発が行われています。論文発表だけでなく、OLM OpenToolsとして実装を公開しており、業界のボトムアップに貢献する姿勢も評価に値します。SAKUGADOの取り組みも期待しています。(岡田 太一様)
社内内製ツールを自社のノウハウに留めず、社外にオープンツールとして公開し、継続的に業界全体への貢献活動に繋げている点が評価されました。自社ノウハウの公開は競合優位性を保つ観点からもバランスを取るのが難しい活動ではありますが、2D線画アニメーションという日本のコンテンツ背景に根差した業界文化全体の成長につなげ牽引されるスタンスは、自社に閉じないテクニカルディレクションの形としてひとつのロールモデルになると思います。(大西 拓人様)
テクニカルディレクションのポイント
従来の「OLMSmoother」で課題となっていた、色が指定した範囲からはみ出してしまう「色漏れ」のバグを修正しました。また、より豊かな色表現を扱うための「色空間」への対応を加え、特にギザギザが目立ちやすい斜めの線に対して、より滑らかに見せるための特別な処理も組み込みました。そして、この一連の機能を共通部品として「ライブラリ化」しました。
この新しいライブラリを使い、After Effects用のプラグインも新たに開発しました。このプラグインでは、従来の「OLMSmoother」にはなかった、After Effectsの新しい高速処理機能(MFR:マルチフレームレンダリング)への対応や、より高品質な32ビットの色深度での処理も可能にしています。この新しい「OLMSmoother v2」プラグインも、以前と同様に無償でアニメ業界に提供しており、2024年11月に行った社内イベント「OLM R&D祭2024(オープンラボ)」でもその詳細を発表しました。
制作クレジット
開発統括:株式会社オー・エル・エム・デジタル R&D、Marc SALVATI
開発エンジニア:株式会社オー・エル・エム・デジタル R&D、Tanguy CESARATTO
ツール検証・フィードバック:株式会社オー・エル・エム 撮影部、柚木脇 達己、山道 奈保美、鈴木 大倫、佐藤 麻依、天田 雅
プロデューサー:株式会社オー・エル・エム・デジタル、奥野 敏聡、安生 健一、四倉 達夫