第10回「計算機を用いた数学研究」GCOEセミナーにて、以下の講義を行います.
+ 日時: 2012年7月20日(金)〜7月21日(土)
+ 場所: 京都大学理学部3号館 110講演室
+ タイトル: 「コンピュータグラフィックスと数学の接点」
+ 講演者:
安生 健一(株式会社オー・エル・エム・デジタル 研究開発部門)
土橋 宜典(北海道大学)
岡部 誠(電気通信大学 総合情報学科/JST PRESTO)
第10回「計算機を用いた数学研究」GCOEセミナー
『コンピュータグラフィックスと数学の接点』概要
7月20日(金)13:00〜18:00頃まで
1. CG入門 -歴史から最近の動向まで-(土橋/安生)
2. 大量の映像データを用いるCG手法(岡部)
3. 人間やキャラクタの表情アニメーション手法(安生)
7月21日(土)10:00〜終了まで
4. 画像ベースおよび物理ベースのCG流体表現(岡部/土橋)
5. 流体の方程式を援用したCGの演出手法 (土橋)
6. CGで用いるいくつかの補間手法とその数学的背景(安生)
コンピュータグラフィックス(CG)は様々な情報を可視化するという意味で、今やもっとも基本的な情報表現メディアである.それ故にCG技術も多様化し、さらにそれを支えるべき数学へのニーズも非常に高まっている.本講演では、CGの基本的な考え方から最先端の技術までを紹介しつつ、いくつかの数理的な手法を紹介する.CGでは表示対象についての「解析」(analysis)と「生成」(synthesis) を行う.前者は表示したい対象、あるいはその類型についての解析であり、画像解析から大量のデータベースの構築などに相当する.後者は種々のデータを内挿、外挿すること、あるいはベイズ推定、逆問題を解く、ということに繋がる.CGの表示対象は多岐にわたるが、今回は、現在でも最も難しいとされる人間や流体の表現に焦点を絞り、これらに対するCG表現事例とそれを実現する数理モデルを紹介し議論する.これらの数学的背景には、関数解析・Navier-Stokes方程式の取り扱い・離散微分幾何・種々の離散数学 などがある.
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